2009-11-05

つながりに対する意識



数学は算数に比べて体系立てて各単元を俯瞰しやすいですが、算数というのは比較した場合明確に把握しにくいように感じます。

もちろん数年指導して慣れてくれば出来ないことではないのですが、子供を持つ親としてはこれはなかなか難しいと思います。量もばかにならないし、一人二人、受験をさせても、それでも全く習ったことのない単元というのが存在していても決して珍しくないと思います。

また把握しにくい理由のもう一つには共通する言葉がはっきりとしていない点だと思います。数学のように関数、方程式、微分積分、確率・・・・などのようにタイトルが付いていれば教科書によって学習する順番が違ってもその中身でやる内容は同じです(順番が違うことで深度が違う場合はあります。)
ですが受験算数ではテキストによってくくられ方が違う場合が存在します。しかもこれは一度覚えればいいというものでもなく、年々過去問によって少しずつ姿形を変えていくわけです。
おそらくわかりやすいのが平面図形や立体図形ですね。とくに立体図形の切断などは年々過去問として既存の形が出てくるので当初斬新だった形がいくつも出題されることで新たな「立体図形の切断のコツ」といったような体系が生まれてきます。また僕がよく取り上げる「割合」に関しては広く様々な単元に使われるので複数の単元をまたぐような問題の時、テキストによってくくられ方は変わりますし、その単元のタイトルにも変化が出てきます。というのは決まった言い方など存在しないので各各の解釈で呼び方に変化が生じる場合があるんですね。そうするとタイトルを見ただけでは一瞬判別できない場合もあるかと思います。

そういえば最近、割合の食塩水の問題で二つのビーカー間での移し替えの問題で「天秤」を使った解説が載っているのですが、どうも意味が理解できません。その時答えの解説を読むと「へえ、そうなんだ」と思うのですが体に理解がしみ込んでいないのですぐ忘れてしまい僕自身は使えません。ただ、はじめのうちは随分物珍しいマイナーな問題だなと思ったのですが、ここ1,2年見かける回数が増えてきました。

おそらくこういう体験がいい例だと思います。そもそも何でそんなめんどくさい(僕にとっては)問題が存在するかというと、過去問でそういう類の問題があったからなんでしょうね。テキストで創造されたものを模倣して過去問ができるというのは想像しにくいです。ということは今後この奇妙な(くどいようですが、僕にとって)「天秤」を使う問題は出題頻度が増えてきて、そしていつの日か、どんなタイトルになるか知りませんが「ちょっと違う天秤の使い方」とかなんとかいって食塩水の濃度の単元において新たなタイトルがつき類題がいくつか載る可能性もあると思います。

中学受験ではそういうことが繰り返し行われているんですね。

ええ、しまった、またうだうだとながくなりました。そう、つながりですね。

そうはいっても算数にも各単元つながりはあるわけです。把握しにくいだけで本質的な体系立ては数学とあまり変わらないと思います。
一次式の前に二次式を習わないのと同じですね。確率のように独立しているものはいつ学習してもそれほど差し支えないかもしれませんけど。
算数も同様です。必ずAを学習した後じゃないとBにいけないというものはありますし、独立したものもあります。それぞれの区別ができて且つ、つながりのあるものにはちゃんと応用がきくか否か、とても重要ですね。

6年生になれば基本からどんどん枝分かれした単元を場合によってはつなげてみたりすることで飛躍的に問題は多様化してくるわけです。その複合的な問題に対して過去の既習範囲に立ち戻りひも解くことができればかなりの応用題にも対応できると思われます。

かなりの応用題にも対応できるといったのは、かなり多くの子供が基礎問題でも過去の既習範囲にきちんと立ち戻ることができずに失点しているからです。

サピオープン、合不合、センター模試、首都圏模試どれも問題そのものを一つ一つ取り上げるとその多くがどうってことないレベルの問題です。ですが多くの単元から並べて出題されると整理しきれていない子供たちはとたんに対応できなくなります。1問1問解説すればそれなりに理解はできるのですが、実戦の場では能力がガクンと落ちているように「見える」子供たちですね。

6年生になる前に既習範囲が整理できているのか、できていないのかで大きく違います。

僕は「算数は暗記だ」ということがありますが、当然片っ端から問題を覚えるというわけじゃありません。何を意識して覚えるかという、暗記する際の質が重要だと思うのです。流れやつながりを意識すると暗記する作業はそれほど大変ではないです。歴史の年表とはわけが違います。数学も公式が覚えなくてはいけませんが、いくつか覚えてしまえばその他多くの多く公式は極端な話自分で導き出せます。ただテストの時間にその公式を生みだすのにそんなに時間をかけるわけにはいきません。算数も同様ですね。

とりあえず、まず整理をきちんとして、その次にスピード、正確さの反射神経を鍛えるという順番です。

実はその整理できていない状態で問題を解くのが早くなってしまう子もいます。以前は算数が得意だったのに急にできなくなったというパターンでこういうケースを見かける場合があります。

その中には問題を読む習慣がきちんと出来ていない場合もあります。算数を感覚的にパズルのようにスラスラ解いていた時期があったため、そのまま5年生6年生になっていくと読み落としのようなケアレスミスを連発して気づいたらかなり成績が下がっているというような具合です。

「注意深く読めって言っているのにいつまでたってもなおらないです」なんて悩みを打ち明けられる場合もありますが、本質的には「そもそも読解できていない」場合が多いです。

算数は国語が得意なほうが絶対に有利です。そうでないといま話したようなケースに陥りやすいし、体系立てたり整理したりというのができない場合が多いです。


テストなおしなどをするとつくづく思います。学習したことを頭に落ち着かせることがとても重要だなと痛感するわけです。

もう少しつながりということについて話してみたいと思います。


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2009-11-01

10月24日 朝日新聞掲載問題 答えと解説



条件整理の要素を含んでいるので闇雲に探しつつもその過程で流れがつかめたら実戦力としては申し分ないと思います。

(1)
A君とB君の赤の鉛筆の本数が同じだということは二人の赤の鉛筆の和が偶数になるということです。これはどんな数であっても二人分なので必ず二で割り切れます。またB君の鉛筆の青の本数は赤の二倍なのでB君の青の鉛筆も偶数になります。するとA君の赤の鉛筆の本数、B君の赤の鉛筆の本数、B君の青の鉛筆の本数のいずれかが定まれば他の二つの値もおのずと定まります。
例えばB君の青の鉛筆の本数が最も少ない2本の時、A君とB君の赤の本数はそれぞれ28−2=26本となります。またA君の青の鉛筆の本数は1本となります。
と、言う風にですね、B君の青の本数が決まることで他もすべて定まります。
これはB君の青の鉛筆が4本、6本、・・・・24本、26本まで、それぞれ一通りに定まります。
B君は2本から26本とそれぞれ一通りずつなので全部で13通りとなります。

答え 13

(2)
(1)での発想を利用してみるとB君の緑の鉛筆の本数は3の倍数となります。
借りに緑の本数が最少の3本の場合、B君の赤と青の鉛筆の本数の和は21−3本=18本となります。ここで(1)の問題を解いた過程を利用します。先ほどは赤と青の本数の和は28本でした。そのとき2本から26本と13通り作ることができます。今回は、18本です。するとB君の青の本数が2本から16本と8通り作ることができます。そのまま緑の本数を6本、9本、12本、15本、18本と増やした場合で考えるとそれぞれ7通り、5通り、4通り、2通り、1通りとなっていきます。それぞれの減り方に規則がないので早とちりしないように気をつけましょう。ここ、難しいところですね。この人ひねりが意外に正答率を下げそうなんですが、どうなんでしょうか

答え 27


この学校の解答用紙はおかしいですよね、数字一つに対してマスが一つが用意されているので答えの桁数や、小数か分数か分かってしまいます。「いまの時代よくこんな解答用紙」なんて思っちゃいます。

ちなみにこの学校の算数の過去問は総復習や、実力確認に使えるんじゃないかなと思います。塾の授業でも使用することは比較的多いんじゃないでしょうか。11月ごろなのでこういう各単元まんべんなく出題されている問題は志望校でなくともいろいろ使い道があると思います。


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2009-10-30

10月24日 朝日新聞掲載問題

久しぶりに問題を載せます。
最近載せる度に久々といっているような気もしますが、まあ良いですかね、細かいことは。

10月24日の朝日新聞からです。

A君とBはどちらも赤、青、緑の鉛筆を持っています。
B君が持っている鉛筆の本数は、A君と比べて赤は同じ、青は二倍、緑は三倍です。
このとき、次の■に適当な数字を入れなさい。
(1)
B君が赤、青の鉛筆を合わせて28本持っているとき、A君が持っている赤、青の鉛筆の本数の組は全部■通り考えられます。
(2)
B君が赤、青、緑の鉛筆を合わせて21本持っているとき、A君が持っている赤、青、緑の鉛筆の本数の組は全部で■通り考えられます。


場合の数です。
全体的に基本題を満遍なくというのが慶応中等部の印象ですが強いてあげれば中等部にはこの場合の数があります。たいていは終盤に設問されていますね。

慶応中等部といえば、問題は易しめで有名ですが、かといって満点を取れるかというとそれはそれで結構大変なんじゃないかなと思います。未公表なのでなんともいえませんが、合格者平均点も高いときは8割いっているんじゃないかなと思います。
ただ場合の数での難問が出てくると満点は難しいだろうなと思います。

この問題であれば時間に余裕があれば正答率は比較的高いように思われます。
最初は書き出していったとしても途中から規則に気がついて(2)はスムースに解けるかもしれません。

では解答解説はまた次回です。

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2009-10-27

気まずい

今年は去年に比べて指導している生徒は若干少ないです。
なので今の時期でも予定がどうしようもないくらい埋まっているというわけでもないので作ればなんとなるような時間の隙間はあるはあるのです。

ここのところ幸いなことに生徒の紹介をいくつかいただいて。先日ですね、曜日時間場所すべてにおいてとてもいい条件の紹介がありました。

・・・でも状況を聞いて断りました・・・。

こういうのホント、もっと自分自身器用に話せないとだめだなと思います。
こっちの予定を言わずに先に生徒の状況聞いて、自分が引き受けるには難しそうなら「忙しいから」とか「空いていないから」と断ればいいのですが今回は話の展開上そういうわけにはいきませんでした。

まず最初にですね、他の生徒の紹介をいただいていたのです。予定があわないので断ったあとに
「今具体的に何時ごろでどこら辺の場所なら可能ですか?」
という感じになったので
「ええと、この日のこの時間にこの場所くらいなら」
と答えてしまい、電話を切る前にその条件に合う生徒がいたんですね。

なので当然話の流れとしては断る理由はなかったのですが生徒の状況を聞いた時点でとてもじゃないけど引き受けられそうにないので断ったわけです。

若干気まずい雰囲気になってしまいました。

電話の向こうから「だって今その時間空いてるって言ったじゃん」といわんばかりの微妙な沈黙が・・・。

くわしい状況は書けませんが6年生なんですね。
まあ、その時点で僕の中では結構アウトなんですけどいろいろなケースがありますからね、引き受けられるかもしれないと詳しく話を聞いたわけです。

しかしながらとても正気の沙汰とは思えないような内容で紹介をくれた教務の方も

「とりあえず、私の口からは何もいえません」

って・・・残り三ヶ月このどうしようもない状況で引き受けろと?
まあセンターとしては依頼があれば「あなたいまさらやめておきなさい」なんていえないですし、それはわかります。

ただですね、今回は僕自身その家庭の結果に対して全く持って責任がもてないので
「他の先生をあたってください、それでも他にいなければ・・まあ引き受けざるを得ないのかどうか・・・」
などと自分でもよく意味のわからない非常に歯切れの悪い言葉で遠まわしに、いや露骨に断ってしまったわけです。


いや、よくないですね、紹介をもらって指導が可能でそれでも断ったのはさすがに初めてかもしれません。

過去に「あなたの経歴を偽って指導して欲しい」と言う内容を断ったり、まだだこちらのスケジュールを伝えていない状態で場所などいくつか自分なりに吟味して後日断ることなどはありましたが、これはちょっと自分でも自己嫌悪です。

あの会話の流れで思いっきりぶった切ってしまうような断り方は・・・。

教務の方すいませんでした。きっともうしばらく紹介来ないだろうな・・・。
でもまあ、出来ることと出来ないことというのがありまして別に生徒を選んだわけではありません、そういうつもりはありません。

・・・・とりあえずブログで懺悔します。


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2009-10-24

変動の大きい学校 (サピックス)



1回目と2回目の募集で偏差値の変動の大きい学校を上げてみましたがサピックスの偏差値表を手に入れたので載せておきます。


早稲田  56→61
海城   55→60
渋渋   54→62
芝    52→56
攻玉社  48→54
城北   48→49
世田谷  47→49
巣鴨   47→48
桐光   47→48
高輪   45→46

日能研、ytに全体的に偏差値が低いのは言うまでもありませんが注目したいのは城北以下の学校の変動が日能研やytに比べて低い点でしょうか。

塾の学力層をあらわしているんじゃないかと思います。サピの平均以上の生徒にとってみれば変動の低い学校は学力的に十分対応できるレベルなのだと思います。日能研や四谷大塚では1回目のレベルにぎりぎり、という生徒が多いということなのかな、と思うのですがどうなんでしょうね。
あと数年したらサピの偏差値表でもこのような結果は出ないかもしれません。徐々に日能研、ytのようになると思います。

逆に首都圏模試の偏差値表を見ればすぐに気がつくかと思いますが難関校のほうの偏差値のほうが変動幅が狭く偏差値が65以上になるとたくさん横並びで実際どうなのか明確に見えてきません。「どこも高いです」というメッセージしか伝わってこないんですね。選択問題が多くテストの構成も平易なので難関レベル以上は測れていないと思います。

三つを見て目につくのは渋渋はどれを見ても変動がとても大きいですね、2月1日に受けるには悩みどころだけど併願としてはとても魅力的な学校だということの表れなんでしょうか。海城も同様ですね。
外せない学校なんだと思います。
改めて渋幕渋渋の勢いというのを感じます。

こういう角度で三つの偏差値表を見ると普段見えてこない一面も見えてきてなかなか興味深いです。


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プロフィール

shioshioshu

Author:shioshioshu
1980年生まれ 男性
慶応中等部出身
担当教科 主に算数
合格実績 駒東、慶応普通部、慶応中等部、早稲田中、サレジオ、青学、学習院、攻玉社、本郷、城北、東洋英和、浦和明の星、大妻、共立、普連土、等

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