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朝日新聞掲載問題 2010年3月27日 答えと解説

前回の問題の解説です。

単元としては速さと比の問題です。線分図を描くと、同じ距離においてそれぞれがどれだけの時間をかけて進んだのかがわかり、それをもとにして解いていきます。

んが・・・・この手の問題を経験していたり、よほど応用力のある子供でないと数分で解くのは難しいんじゃないかなと思います。

~~

二人が出会うまでにかかる時間を①とします。出会ってから25分後に太郎君は着き、次郎君はその24分後、つまり25+24=49分後に到着します。
同じ距離において速さの比というのは対応しますね。(たとえば10㎞にかかる時間の比が
1:2だったら20kmにかかる時間の比も1:2です。)速さの比で学習する最も基本的な知識です。

この問題では太郎君が①分かかった道のりを次郎君は49分、太郎君が25分かかった道のりを次郎君は①分かかったわけです。すると①:49=25:①という比例式が成り立ちます。

比を習いたての大抵の小学生は「①を何倍すれば25になるんだよ~」って話になりますね。まあその段階の子供はまだまだ解ける必要がないのでこの問題は置いておいていいと思います。

じゃあ、「内項と外項の積の公式」を知っていれば(普通は数学の公式ですが、受験算数のテキストではほぼ間違いなく載っています。倍数変化算と共に学習する場合もあります。)解けるかといえばそこでも躓く子供がいるでしょう。ここでは素因数分解が肝だと思います。

公式に当てはめると①×①=49×25となります。49×25=1225です。
同じ数を二回かけて1225になるものを探してもいいですが(1225÷2とかしないように)49と25ですぐにピンと来る子供ならば素因数分解して終わりです。

つまり①×①=7×7×5×5=(7×5)×(7×5)=35×35となり①が35になることがわかります。(ちなみに1225を素因数数分解しても同じ過程をたどるはずです。)

はい、そうするとですね、太郎君が35分かかる道のりを次郎君が49分、太郎君が25分かかる道のりを太郎君が35分。時間の比が35:49=25:35=5:7になります。
速さの比は時間の比の逆比で7:5となり、太郎君の速さを7とおくと次郎君が5です。
7÷5=1.4となります。

答え1.4倍

~~


速さの問題で「すっきりした文章だが簡単ではない」という点では良問かもしれないし、「受験算数の範疇を超えつつある」という点においては良問とはいえないかもしれません。

この問題は数学ではごく普通に見られる問題です。普通、中学1年生では扱わないでしょう。2年生か3年生だと思います。
中学生では二次方程式を使えばいいです。①をXとおいてX二乗=49×25として移項して因数分解なり、解の公式で解けばいいわけです。やっていることは変わらないようでやはり違うんですね。
そもそも算数では①×①の表現が明確でないのです。(鶴亀、消去など1次式までは学習しますが、2次式までは原則触れないです。扱うのは平方数くらいでしょうか。)
1の○を二重丸にするとかもありますが、じゃあ、なぜそうなるのかという話になると、これは現時点では受験算数を逸脱していると思います。んだから大抵の場合①×①の話はあいまいなままになっていたり□×□として平方数を求める形に持っていったりします。

しかしここら辺になってくると子供それぞれ感性がちがいますので、様々なことに疑問を持つ可能性があります。①×①はどうなるんだとか、□分じゃピンとこないとか・・・。

誰もがさっくり素因数分解の話をしてストンと理解してくれるわけでもないです。(それが天才と秀才の違いと言われたらそれまでですが)というか疑問を持つ子供がおかしいとも思いません、流れからしてそれはそれで自然だと思います。平方数できちんと①が求められるんだ、へえ面白いってみんながみんな、なってくれれば助かるんですが。

おそらく灘を受ける子供たちの学力は上位の中の上位なのでこれくらいはスラスラ解けないといけないんでしょう。僕は灘に受かる子供たちの標準的な算数学力をじかに見たことないんでよくわかりません。
このレベルの問題で「これは小学生にはちょっと・・・」なんていったら関西系の算数講師に「この下手れがあ!!そんな能無し指導者はいらんわボケ!!」とかいわれてフルボッコにされそうです(汗)。

初めてこの手の問題、つまり平方数を利用する問題を見た頃に比べて、今であればこの問題はそれほど違和感なく映るのですが、やはりあらためてみると微妙かなあという気がします。

個人的な見解としては中堅校レベルで出題されたらいい問題とはいえないと思いますが、御三家クラスなら「まあ解ける子供もいるだろうから・・・いいのかな」という感じです。

小学生でも「方程式はある程度扱えて当然」というつもりで出題していくるのか、それとも「これを方程式を使わないで解く柔軟性を見たい」というつもりなのか、その意図は定かではありません。これが「速さの問題を見せかけて素因数分解をうまく使用できるか」というのを見たいのであれば良問といえるし、「方程式使える子もいるだろうし、ちょっとこんなんでもいいかな」という感覚であれば出題は避けたいです。

まあ、でもやっぱり素因数分解を利用した良問ということなんでしょうか。
いろいろふりかえってみると、こういうのは結構ありますしね。
書いているうちにギャアギャア言うほどのことでもないような気がしてきました。

ありかなしか・・・毎日算数の指導をしているせいかよくわからなくなります。


とりあえず、自分の感覚にブレーキをかけるつもりで、この問題を取り上げてみました。


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朝日新聞掲載問題 2010年3月27日




今回はは灘中の問題を掲載します。
さて全国屈指の最難関校の問題です。
問題の雰囲気からして1日目のほうでしょう。
(確認していないので興味のある人は確認してみてください。)・・・たぶん。

~~

A地点とB地点を結ぶ一本道がある。
この道に沿って、太郎君はA地点を出発しB地点まで、次郎君はB地点を出発しA地点まで、
それぞれ一定の速さで歩く。
2人は同時に出発し、途中ですれ違った。
すれ違って25分後に太郎君がB地点に到着し、さらにその24分後に次郎君がA地点に到着した。
太郎君の速さは次郎君の□倍である。


~~


一見シンプルですが、一筋縄ではいきません。

さて、この問題を「さすがは灘!」と良問と呼んでいのか否か、意見が分かれそうです。
この問題は難度がどうこうではなく、出題そのものが微妙な気がします。
ただいろいろな条件を考えると・・・判断が難しいです。

個人的な感想を踏まえつつ、次回解答と解説します。

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算数の論理力

最近、二題速さに関しての問題を載せてみました。
これで三度目ですがもう一度二つとも載せて見ます。

まず最初に取り上げたのが・・・



A町から山を登り、C峠を越え山を下りB町に行き、また同じ道を通って帰ってきます。
行きは1時間20分かかり、帰りは1時間40分かかります。
登るときは3キロ毎時、下るときは6キロ毎時だとします。
AからBまでの距離は何キロメートルでしょうか?


次に載せたのが・・・



三地点A,B,Cがあります。

AからB地点は平地であり、BからC地点までは上り坂、またC地点からA地点までは下り坂となっています。

太郎君は午前九時にA地点からB地点に向かい、また次郎君は午前九時十分にA地点からC地点へ向かい、それぞれ歩き始めました。二人は途中休んだり引き返したりすることなく、各地点を通過し、その間午前九時三十七分三十秒にはであい、一周して、午前十時に同時にA地点に戻りました。また二人は共に、平地、上り坂、下り坂をそれぞれ時速4㎞、2㎞、6㎞で歩きました。

(1) BC間とCA間の距離では、どちらが長いですか。答えのみ書きなさい。
(2) 二人が出会った地点は、AB間、BC間、CA間のうちどれですか。答えのみかきなさい。
(3) AB間の距離を求めなさい。
(4) 太郎君の歩いた距離を求めなさい。




再度話しますと、最難関を志望する子に必要なのは後者の難度の高い問題をどこまでイメージできて的確に説明できるかということです。そのためには最初の問題は考える間もなく手を動かし即答出来るくらいにならないときついでしょう。(ッて僕の従来のやり方では暗算はきついですが・・・)


どちらの問題も遠いようでつながりはあるわけです。勿論難度の高い問題になってくると複数の単元の解放や考え方を含めて構成されているので場合によっては「~~算」と明確に分類できない問題もありますが。

たいていの子供は初めて後者のような問題を見ると読んでいるだけで気持ちが負けてしまいますが何度も繰り返すことで難度の高い問題にも意識を切らず、集中して取り組むことができるようになります。そしてそうならなければいけません。

前回の問題から今回の問題は随分とレベルが飛んでしまっているように見えるかも知れませんが再難関を狙う子は段階を踏んで1年間かけてこのレベルまでもっていく、そう考えてもらえればいいと思います。

もっと言ってしまえばこれが解けなくても受かる時は受かりますし、特に女の子はここまでの力は合格に必要ないかもしれません。秋ごろの女子偏差値65越えの子供であれば4,5人に一人解けるくらいでしょうか。

新6年生には上位層でもそうそう解ける子はいないと思います。

ただですね、正解できるできないにこだわらず取り組んで経験するということはとても重要です。正解でなくても途中式での考えで学校側は十分に部分点は与えてくれると思いますし。当然思考力も身についてきます。

なので、粘り、ということも重要な能力ですね。今はまだ「こんなの解けっこない」であきらめる時期ではないです。出来れば取り組んで「ああ、こういうとき方なんだ」と理解を深めてほしいものです。

新6年生はですね、これから1年、今まで以上に算数の差は広がります。
多くの子供は今までの既習範囲の定着度を高めることになると思います。
yt、日能研で65を超えるくらいになってはじめて今までにも学習していない難問に徐々に取り掛かる感じになるでしょうか。それくらいでちょうどいいと思います。

それくらいの学力がないと新たな応用題に取り掛かっても成績が下がってしまう可能性が十分にあるので注意したいですね。

難解な文章であっても相手の言っている意味が正しく理解できるか、そして自分の考えを正しく人に伝えることが出来るのかこのような力をこれから1年かけて身につけていけたらいいですね。

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速さ往復 応用 答えと解説

昨日からメールや電話が続いております。
普段は数日間誰からの着信がなくても珍しくないのですが、この時期ばかりは携帯電話も活躍しています。

さて、とりあえずはこの前の問題の解説をします。

問題をもう一度載せます。

問題

三地点A,B,Cがあります。

AからB地点は平地であり、BからC地点までは上り坂、またC地点からA地点までは下り坂となっています。

太郎君は午前九時にA地点からB地点に向かい、また次郎君は午前九時十分にA地点からC地点へ向かい、それぞれ歩き始めました。二人は途中休んだり引き返したりすることなく、各地点を通過し、その間午前九時三十七分三十秒にはであい、一周して、午前十時に同時にA地点に戻りました。また二人は共に、平地、上り坂、下り坂をそれぞれ時速4㎞、2㎞、6㎞で歩きました。

(1) BC間とCA間の距離では、どちらが長いですか。答えのみ書きなさい。
(2) 二人が出会った地点は、AB間、BC間、CA間のうちどれですか。答えのみかきなさい。
(3) AB間の距離を求めなさい。
(4) 太郎君の歩いた距離を求めなさい。


何気に大変なのが(1)、(2)です。答えのみとはいえこれをしっかり説明できる力が必要です。最難関を狙う子にはこういう問題の答え方で差がつくと思います。
答え方だけでなく納得できるまで追求できるかですね。

なんとなくなぞるようにできた気になってしまうと、またしばらくしたらほぼ間違いなく解けないと思います。(1)、(2)は覚えていて何となく合っているんだけど、(3)、(4)でまた最初と同じように躓いたりと。

(1)、(2)は簡単に解説します。
この問題はまず三角形の図を書き、それぞれの頂点に左端から反時計回りにABCと書いて考えるとイメージしやすいかもしれません。ABは平地、BC、CAが坂道です

(1)
もしも坂道と下り道の距離が等しければ一周するのにかかる時間はそれぞれ等しいはずです。10分遅れの次郎君が太郎君と同時についたということは次郎君が歩いた下り道が長かったということです。次郎君が下ったのはBC間ですのでそちらのほうが長いということになります。

答えBC

(2)
出会った地点をDとします。
次郎君はもしもAC間で出会ったとすると、出会ってから22.5分後にAに行くことになります。(10時-9時37.5分)ということは太郎君はであった後のDA間を22.5分で下ることになります。
しかしながら太郎君が22.5分で下る道のりは次郎君は、速さの比の逆比で22.5÷2×6=67.5分かかり、9時10分にスタートしたとしたら9時37.5分に太郎君に出会うことはできません。
AB間においても同様のことが言えます。(説明省略)

(3)
Aから出会った地点(同様にDとします)注目します。AB間は平地なのでどちらもかかった時間は同じです。にもかかわらずその道を次郎君は22.5分、太郎君は37.5分かかったわけです。
つまりDB間で37.5分-22.5分=15分の差ができたということになります。DB間での次郎君と太郎君のかかる時間の比は速さの比の逆比で1:3でその差の2に当たる時間が15分ということです。なのでDB間では太郎君は15÷2×3=22.5分かかり、次郎君は15÷2×1=7.5分かかるわけです。
そうするとAB間では太郎君は37.5分-22.5分=15分、次郎君は22.5分-7.5分=15分と、どちらもちゃんと同じ値になりますね。(確認は大事です、ここで値が違えば間違っていることになりますからね)
平地は時速4㎞なので4×(15÷60)=1・・・AB間

答え1㎞

(4)
あとは前回紹介した問題のように解けば解けます。
太郎はBC、CA間を45分。次郎君は35分で、登りと下りの速さはそれぞれ2㎞と6㎞です。計算しますと(式省略)BAが1.25㎞、CAが0.75㎞です。
よって1+1.25+0.75=3㎞


答え3㎞


もう少し問題に関して話をしてみたいと思います。


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速さの往復問題 応用 

前回速さの問題を載せました。

今回はその応用編です。発展問題です。
受験直前ということで上位者向けです。
本番に向けて頭の切れが絶好調(のはず)でしょう。子供たちは直前まで学力を伸ばしてきますからね。

最難関を目指す男の子にはぜひ解いて正解してほしいです。


問題

三地点A,B,Cがあります。

AからB地点は平地であり、BからC地点までは上り坂、またC地点からA地点までは下り坂となっています。

太郎君は午前九時にA地点からB地点に向かい、また次郎君は午前九時十分にA地点からC地点へ向かい、それぞれ歩き始めました。二人は途中休んだり引き返したりすることなく、各地点を通過し、その間午前九時三十七分三十秒にはであい、一周して、午前十時に同時にA地点に戻りました。また二人は共に、平地、上り坂、下り坂をそれぞれ時速4㎞、2㎞、6㎞で歩きました。

(1) BC間とCA間の距離では、どちらが長いですか。答えのみ書きなさい。
(2) 二人が出会った地点は、AB間、BC間、CA間のうちどれですか。答えのみかきなさい。
(3) AB間の距離を求めなさい。
(4) 太郎君の歩いた距離を求めなさい。

以上

これは平成11年度の駒場東邦中の問題です。この年は大問4題あってこれは3番目です。

他の問題との難度を比較すると・・・難しいですね。解けなくてはいけないのか否か。
おそらく前半の大問2問が解ければ3問目に位置するこれは解けなくても合格できると思います。ただし他の科目が得意であればです。算数が得意な子であれば外せないでしょう。

最悪(2)番までは解けないとまずいです。答えのみなので感覚的にでも解けるからです。
なんとなくよくわからないけど正解した人は多いと思います。
(1)はまだしも(2)は説明しようとするとかなり手間かかります。

簡単な図すら書いてくれないのはいかにもこの学校らしいです。

僕の感想では大問4問はかなりの難問です。いや、無理ですね(汗)一番最後の問題とかあり得ないレベルです。なのでこの3問目は正解しないとまずいかなという感じです。かけられる時間は多くて15分ですかね。

この前はいくつか解法を紹介しましたがこれはどう解けばいいでしょうか。
改めてみると、やはり差に注目して解くのが自然かなと思います。


さあ、解説は数日後にします。


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プロフィール

shioshioshu

Author:shioshioshu
1980年生まれ 男性
慶応中等部出身
担当教科 主に算数
合格実績 麻布、駒東、ラサール、桜蔭、女子学院、渋幕、渋々、慶応普通部、慶応中等部、早稲田中、渋渋、武蔵、サレジオ、広尾、青学、学習院、浦和明の星 等

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