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失敗学・・・。  その2



もう一つのケースでは子供が周囲の人間が塾に行っているから「行きたい」と言い出して通塾したというケースです。こちらの家では母親が「学校生活に支障をきたすようであればやめること」という条件付きでの通塾だったそうです。
その影響もあってかこの子はあくまで学校の授業や行事を重視し、その際に塾の成績が下がっても「気にしなかった」そうです。現役で東大理3に合格したのですからうまくいったパターンですね。

こういう考え方は中学受験でも重要だと思います。
何が大事なのか、これをきちんと見極めることができないと「あれも、これもこなさなきゃいけない」と結局全部バタバタして時間ばかりが過ぎて何もこなすことができていないということになります。

学力が伸びない、あるいはよくない子どもの保護者において
「こんなことはほかの人もできているはず。」
「こういうことはできていなくてはいけない」と心理的に、勝手に他者と比較している場合が少なくなくないです。
これは客観的にみると「実在しない敵や脅威に過敏に反応して、余計な手間やどうでもいいことに無駄な時間をかけているように見えるわけです。
残念ながら中学受験では親がそういう心理状態に陥り結果として子供の学力向上の妨げになっている場合も珍しいことではないです。

前回取り上げた母娘と今回の母娘では、やみくもに「塾に行かせなくては」と焦るのではなく「本来6年間ですべきことは何か」と軸を明確に持つことができたか、結局そこの判断力の違いだと思います


なにが大事なことか、きちんと見極めて行動している人というのを余所からみて「あの子は天才だ」とか「感がいい」「センスがある」とか言われる場合が多いんじゃないかなと思います。また保護者がそういう嗅覚に優れている場合は親子でうまく受験に取り組んでいるように思います。


メソッドにはならない人間的な、感覚的なと言えばいいのかそういうのも「運」という言葉だけでは片づけられない要素が多く含まれているように思います。


そしてもう一つ親子が紹介されています。受験勉強中は母親が家庭教師の如く子供の勉強を見て合格を勝ち取ったケースです。それだけに母親は子供の学力がより客観的にみえているのでしょうか、自分の娘はぎりぎりぶら下がって合格できたと分析しているようです。
「せっかく合格したのだから中学3年間はのんびり過ごさせてあげたい」塾通いに反対の父親とは別に「桜蔭生の多くは塾に通っているので、自分の娘だけ行かないのは不安で置いていかれないように塾に通わせたい」と連日のように繰り返す母親。

母親は入学後すぐに「塾に行かなくてはいけない」という思いがかなり強いようで、逆に夫はそんな状況が心配なようです。

「あれだけの大学実績がありながら学校の大学受験に対するスタンスが不明確なこと、そして学校説明会で『入学前に塾通いを決めるのはやめてほしい』と言いながらも受験勉強への具体的な支援内容さっぱり見えてこない、だから疑心暗鬼になって塾通いに走るのではないか」。ここに書いてあるお父さんの意見は多くの進学校の問題を的確に表現しているように思います。


確かに今回取り上げられている話だけを見れば「桜蔭のスタンスはどういうものなのか?」
そういう印象は強いです。

ある桜蔭卒の東大生は英語や数学は10対0で塾の勉強が受験に役立ったと言っています。
また桜蔭時代の恩師からは後輩の子の家庭教師をと誘われたこともあるようです。塾や家庭教師というのを学校側も否定はしていないということでしょうか。
だとするとお父さんが持った「じゃあ、学校は塾に行かせたいのか、そうではないのか」という疑問が生まれても仕方がないと思います。

進学校ではダブルスクールを暗黙の了解としている学校と明確に勧めていない学校、またその中間のようなスタンスをとる学校が存在します。これは桜蔭だけの話ではなく全ての進学校が抱える課題だと思います。
また桜蔭のように「そのレベルの学校なら当然、最低でも00大学狙いでしょう」というように勝手に出来上がる雰囲気も重圧に感じる子供は大人以上に存在するのではないでしょうか。

難関レベルに入学した子供にはより一層の、学力相応の自主性、自立性が求められるように思います。また保護者がそれをより認識しなくてはいけないと思います。

「うちの娘は小学生の時、全国模試でも100以内に入ったことがあるのだから塾に行っても何とかなるだろう」という考えは言うまでもなく、です。
後になって「もっと学校生活を大切に、家族団欒の時間を大切にしたかった」などというのはあまりに残酷です。振り回された子供には青年時代を取り戻すことはできません。
難関校に入学するということは「すぐれた学校に通う」という誇りや喜びだけではなく、より大きな責任を背負うことになるという気持ちも持たなくてはいけないと思います。保護者がそういう意識を強く持たないと子供に持たせるのは難しいでしょう。

今までは「勉強漬けが日常である」というのは桜蔭のような最難関に進む子供には今後もそれが日常であるかもしれないし、多くの子供がそれを認識しながら進学していくのかもしれません。しかしかといって桜蔭にまで入学した子供が塾の勉強についていけないからといってそれを許さないような風潮が漂ってしまうというのは何ともいえない気分です。

僕はその点において気が重くなりました。とくに僕は付属出身なのでなおさらかもしれません。勉強したい人間はおおいにすればいいけど、そこに意味が見いだせない人間に「なんとしても東大に進学しなくてはならない」という風に強要するのはまずうまくいかないと思うのですが、どうなんでしょう。周りが引っ張れば合格できるものなんでしょうか、東大レベルの学校は。

今回冒頭に紹介した「塾に行くんだ」と血気盛んな娘を制止させる母親は何ともかしこい印象受けます。個人的には上位の学校に通わせる親はそうあるべきだと思うのです。

大学受験で難関大学に入るには中学受験とは違い本人の意思が大きく影響すると思います。
つまり中学以降、そこから勉強するか否かは親が全部決めることではないような気がするのです。
中学受験生はどうしても親の力が必要ですし、場合によってはつきっきりで勉強をみるという例も決して珍しくないです。中学に進んだ後は保護者のほうがどうやって距離を離していくことができるか、これも重要な仕事のように思います。


次は早期教育について、これもAERAに取り上げられていました。その話にも触れていこうかと思います。


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塾の話や教育に関して、家での勉強法など多岐にわたります。


なにかしら参考になると思います。


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失敗学・・・。

AERAでの記事のタイトルが「桜蔭の『大学受験失敗学』」とありタイトルからネガティブオーラ満載で読む前から若干気が重たかったです、はい。

読まずともタイトルだけで大体想像がつくかと思います。名門最難関中学に入学しても大学受験でうまくいかないこともあるよ、ということですね。

ただ具体的な内容までは知らない人というのは少なくないと思うので、それがいかなるものなのかいろいろ感じてもらえたらと思います。
実際に読んだ方は虚無感と言えばいいのか徒労感と言えばいいのか、はたまた単純に「大変だなあ」とか、「想像できない世界だなあ」とか、いろいろな感想を持たれた方は多いと思います。いずれにせよ人をいい気分にさせる内容ではないことは確かだと思います。
保護者であれば気が重くなるような話でしょう。

しかし桜蔭の話といえども「それは上位の話」と人ごとではありません。中学受験に臨む、臨もうと考えている人間は一度目を通しておいて損はないかなと思います。

さて簡単に学校紹介。
桜蔭という学校は中学受験をする人間であればたぶん聞いたことがない人はいないと思います。
女子の最難関中です。御三家として女子学院、ふた葉と並んでいますが男子の開成同様、実質女子御三家のトップです。
2010年は東大入試で卒業生235人中54人が現役合格したというとんでもない実績を誇る学校でして、うち最難関の理Ⅲ医学部に8人合格。今年度は定員100人中20人が女子だったようで実にその4割を桜蔭生が占めます。(以前東大と医学部の話をしたことがありますが、知り合いいわく東大に合格することと、理Ⅲに合格するということは全くの別次元だそうです。)
中学受験時の偏差値以上に、東大合格実績という点のみに焦点を当てたら女子学院、ふた葉とは頭二つ以上飛び抜けているといっても言い過ぎではないでしょう。ダントツです。

最近は慶応中等部が三日に受験日を移してから、いよいよこの学校が偏差値においても中学受験トップとなりつつあります。

さてそんな桜蔭ですが、では235人-54人=181名のその後の進路はどうなったのか?こちらん部分に焦点を当てたのが今回の記事です。

記事の冒頭、とある母親が中3になってすぐの春に自宅に送られてきた成績表を見てびっくり。
ただびっくりしたのが成績ではなく出席日数、しかもそれは学校ではなく塾の欠席美を発見してとのこと。いやあ、驚きです。

どういうことか?
桜蔭といえども学校の授業だけでなく塾にも通うのが常識というような風潮はあるようです。その塾というのが有名中高一貫校の生徒ばかりを集め東大、医学部受験を専門としたところで、たとえば数学は中学1年間で通常の中学3年までを終えるそうです。

娘はそこの塾での欠席が親にばれて怒られたということです。そしてその原因が塾の宿題がこなしきれず、サボったとのこと。
宿題はこなしきれない→塾には行きづらい、かといってサボる勇気もなく仕方なくマックで時間をつぶしていたという何ともかわいそうな話です。

塾の宿題ができず家にも帰れずマックで時間をつぶす・・・いずれ欠席はばれるのにそれを親に話せないどうしようもない孤独感は僕にはちょっと重すぎです(汗)
せめて化粧でもして渋谷の街へ繰り出すなんていう方法でも知っていればこんな風に追い詰められることもなかったんじゃないかと思うのですよ。

いやいや、冗談じゃなくてですよ。

桜蔭に入学できるというのはどれくらいの学力か、なかなか想像できないとは思いますが、まあとんでもないレベルなわけです。AERAにも書いてあるように小6から受験塾に通い合格できる人もいますが
(知り合いでもいました・・・・)、しかし多くの子供が小学生時代にとんでもない時間数を勉強にかけてなおかつタイミングや運や相性も重なって合格するわけです。

しかしそれはあくまで始まりなんですね。

「当然東大志望で桜蔭に入学したのだろうけど、東大に入りたいのであれば塾に通うのが当たり前」そんな雰囲気がぷんぷんしている中、「うちの子は塾に通わせない」というのはなかなか難しいんでしょう。また親としてもここまで頑張れた娘なんだから今後も塾と学校を併用しても大丈夫であろうという考えで通塾させる人が多いのでしょうか。というか知りませんが大半の親は東大に入ってほしいと願っているんじゃないでしょうか。

記事に紹介されている母娘は見事に打ちのめされたわけです。現実問題その塾のめちゃくちゃなペースについていけるのはさらに一部の上位生だけで、なかには専門の家庭教師をつけるケースも多いようです。
しかし塾も学校もどちらも成績が振るわない子どもは少なくないようです。

この母親は中2の学校での保護者面談で「塾はやめさせてください」とはっきり言われたそうで。しかし

~娘もやめたいと言っていたし、負担が大きいのは分かっていた。でも、簡単にやめさせていいのか、躊躇した。迷った末、英語だけ続けることにしたが、学校の成績はさらに低迷した。~  

AERA2010 4.26 32頁から

そして成績を持ち直したのが冒頭に出てきた欠席事件を契機に中3の1学期途中で塾をやめてからだったそうです。 その後は家庭教師をつけたり、高校からは別の予備校にも通ったそうですが最終的には通信教材などで「自習」する方法に切り替えたそうです。

現役突破はかなわなかったそうです。

さてここの母娘の中高6年間の総支出がざっと載っていました。

学校538万円、塾、予備校など326万円 家庭教師178万円

本来、難関大学に入りやすくするために最難関校に通わせたにもかかわらず学校以外での費用が500万円近くと約半分を占めていた現実に何とも言えない気分になるのは僕だけでしょうか。

この母親はもっと学校の授業を大切にすれば良かったと後悔しているそうです。

これは本当に難しい問題ですね、桜蔭でなくとも多くの難関進学校が抱える問題でしょう。学校はこれらにどう対処すべきか明確な方針を立てることが必要なんだなと感じました。
「塾はやめさせろ」と言われても、安心してやめることができなかった親がいたという事実は何とか改善、修正していかなくてはいけない問題ですね。
結局子供はダブルスクールに振り回されてボロボロになってしまった、そういう印象を持ちました。

そしてほかケースも紹介されています。
次に紹介する体験談や考えは難関校に通う人間にとって一つの答えや、うまく過ごすためのヒントとなるようなことが隠されているように思います。

次回、続けて取り上げてみます。


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プロフィール

shioshioshu

Author:shioshioshu
1980年生まれ 男性
慶応中等部出身
担当教科 主に算数
合格実績 麻布、駒東、ラサール、桜蔭、女子学院、渋幕、渋々、慶応普通部、慶応中等部、早稲田中、渋渋、武蔵、サレジオ、広尾、青学、学習院、浦和明の星 等

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