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無料オンライン講義

前回、海外の大学ではしのぎを削って優秀な学生を探しているという事を書きました。
今度はその話をしていきたいと思います。

米国では一流大学が授業を次々と無料でオンライン発信をするようになりました。

まだ始まって歴史は浅いのですが、すでに大学サイドでは「意欲と能力さえあれば生まれた環境に関係なく良い人材を獲得できる」といった効果が現れているようです。


個人的にはこのシステムがもっと確立されてきたら推薦入試よりも効率良く、求める人材、そして学生側が求める教育機関を結び付けやすくなるのではと思います。




朝日新聞でアメリカマサチューセッツ工科大学でやっている無料オンライン講座「ムーク」について取り上げられていました。

無料で講座というのはすごいと思うんですけどね。
ムークでは教員が講義の動画、スライドや資料を配信し受講生は名前メールアドレスを入力すればだれでも受けられるそうです。

しかも大学の講義のような長時間ではなくメリハリをつけて10分程度に編集されて、なおかつ理解度確認の小テストも行うという、何とも魅力的な形式が多いそうです。


週に5~10時間を3~4か月間受講し、宿題や試験に合格すれば修了証ももらえるそうです。英語による講座が多いのですが人気講座は使用者が勝手に字幕をつけて拡散するので中には10を超す言語で見られるのもあるのだとか。

MITとハーバードが共同で設立したオンライン教育機関「エデックス」では両大学などの計24授業を無料配信、ネットさえつながればどこでも授業が受けられる状態です。


実際にあったことでは
「電子回路」の授業では15万人が受講、そして課題をこなしながら4ヶ月間の授業を最後まで受講したのが7000人、さらに最終スコアで満点を取ったのが全受講生の0.2パーセントの340人、そしてその中にモンゴルの15歳の高校生がいたようで、その事実に授業を行った学長は大喜びだったそうです。

学長は優秀な成績を収めた生徒には自身の大学受験を勧められるのだから大学側には大きな利益になる、と考えているようです。

このオンライン授業、当初は講義資料や動画を一方通行で公開していたのですが2012年に宿題や試験など受講生と双方向で授業を進める仕組みが誕生、そこから大きく変化していったそうです。

世界中の受講生の成績を回収できるようになったことで、研究開発にしのぎを削る大学にとっては貴重な資源である人材獲得な有力な手段となることが分かったからです。ちなみに東大や京大もこのシステムに参加しています。

それから米国を中心に世界の大学が参入、1年間で受講生は450万人を突破し、これは日本の全大学生の約二倍にあたります。

日本でもオンライン動画はあるのですが、そのほとんどが一方通行で中々増えない状態みたいです。オンライン授業が進んでいると目される京都大でも人気動画の公開率は数パーセントで公開することで間違いを指摘されたり他大学と比較されることを授業改善の機会と捉える文化が根付いていない状態だとか。

授業する側の都合で公開に対して消極的という感覚は大学の講義に関わらず、教育すべてにいえる深刻な課題のような気もします。

「オンライン講座での名門大の教授が出した修了証を集めれば、高い授業料を払って大学に行かなくても就職できる時代が来るだろう、教員の研究業績を重視し、教育力は二の次としてきた日本の大学には激震だ。」
このように予見している人もいます。

先程も触れましたが「ムーク」設立当初はこのような事態を予想はしていなかったようです。
きっかけは2001年、MITが教材のオンライン化に乗り遅れた「後発組の焦り」からでた当時の学長の考案だったそうです。
しかしどう考えても収益は伸びない提案だったので収益はなくとも「世界に役立つ知識と広める」という大学理念から、あきらめ気味に無料講座に踏み切ったそうです。

初年度の参加教員は約1000人中50人、やはりはじめは「仕事が増える」「なぜ自分の教材を無料で見せなければならないのか」と抵抗が強かったみたいですが実際にはネットをきっかけに入学する優秀な生徒が出てきたり、公開する緊張感から教材の質も上がり参加する教員や利用者が増えていったようです。

当初からオンライン教育に携わっていたMITの宮川教授(日本人というのは何だか誇らしいですね)は「真のインパクトはこれから」と見ているようです。

平和賞、文学賞を除けばノーベル賞は今も先進国出身が多いのですがムークのシステムがもっと浸透すれば教育機会を得にくい発展途上国でも医療などの最先端の研究に携わるようになる、そんな時代がそこまできているのではと、記事ではそのように締めくくっています。

このオンライン講座の記事は前三回にわたって連載されているのですが続きでは講師や、その後の就職へどうつなげるのか、その点についても触れています。





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shioshioshu

Author:shioshioshu
1980年生まれ 男性
慶応中等部出身
担当教科 主に算数
合格実績 麻布、駒東、ラサール、桜蔭、女子学院、渋幕、渋々、慶応普通部、慶応中等部、早稲田中、渋渋、武蔵、サレジオ、広尾、青学、学習院、浦和明の星 等

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